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経営戦略は、短期的・局地的な経営戦術とは区別される。経営戦略にはいろいろな定義・考え方・使い方があるが、それらに関わらず、共通する6つの要件がある。経営理念をベースにビジョンを設定したら、ビジョンを実現するために経営戦略を策定する。戦略(strategy)は、もともと軍事用語で、「大局的な戦争運営の方針や策略」を意味する。短期的・局地的な戦闘に勝つためにどう戦うか、という方策である戦術(tactics)とは区別される。太平洋戦争時、満州に進出してソ連(ロシア)と戦うか(北進)、仏領インドシナに進出してアメリカと戦うか(南進)といった判断が戦略であるのに対し、ミッドウェー海戦をどう戦うかという方策が戦術である。企業の経営戦略でも、まったく同じことがいえる。衣料品メーカーで、低価格を売り物にするのか、ファッション性の高い高付加価値品に注力するのか、といった大きな方向性の決定が戦略で、いかにしてコストダウンを実現するか、という現場レベルの方策が戦術である。企業が成長・発展するには、戦略も戦術も欠かせない。日本企業の問題点として、短期的・局地的な戦術の立案・実行には長たけているが、長期的・大局的な戦略が明確でない、とよく指摘される。経営史家のチャンドラー(A.D.Chandler)は、経営戦略を「一企業体の基本的な長期的目的を設定し、これらの諸目的を遂行するために必要な行動様式を採択し、諸資源を割り当てること」と定義している。経営戦略という用語には、これ以外にもいろいろな定義・考え方・使い方があるが、本テキストでは、以下のように定義する。環境変化に適応し、競争を勝ち抜き、事業機会を追求するための長期的・総合的な施策とその実施ルール(1)戦略と戦術(2)経営戦略の定義20経営戦略とは3

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