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第1章1973年、同社は初めて、「セコム」という言葉を新聞紙上に公表した。セキュリティ(安全)とコミュニケーション(通信)を合体した造語である。1981年、日本警備保障はSPアラームを発展させて家庭用のセキュリティシステム(現在のセコム・ホームセキュリティ)の販売を開始した。こうしてセコムは、警備サービスの分野で確固たる地位を築くことができた。そして1983年12月には、社名もセコム株式会社とした。事業ドメインを転換警備サービス事業が順調に拡大し、創業以来連続して増収増益を続ける中、セコムは1989年、事業ドメイン(領域)を「社会システム産業」へ変更した。あくまで同社が設立以来、守り続けてきた「安心/安全」という基軸は維持し、今後の情報化社会に必要な情報通信ネットワークを活用した社会貢献を目指す新ビジネス展開の宣言である。セコムはこの方針に従って医療・情報・環境などの関連事業に事業領域を拡大している。ただし、現在も保険など収益が低迷している事業も多く、警備サービス依存の収益構造は変わっていない。また、アジアを中心に世界21カ国で事業展開をしているが、海外売上高は全社売上高の10%未満で、本格的な収益貢献には至っていない。経営環境の変化警備サービス事業での圧倒的優位と積極的な多角化によって破竹の勢いで成長を続けてきたセコムだが、近年、経営環境は大きく変貌しつつある。本業の警備サービス事業には、以前にも増して追い風が吹いている。凶悪犯罪は減少しているものの、犯罪の多様化、外国人や若者による軽犯罪の増加、警察の犯罪摘発率の低下などによる社会不安の高まりを背景に、民間の警備サービスへのニーズが拡大している。アジアを中心に海外市場も拡大している。ただ、国内の競争環境は厳しさを増し、国内2位の綜合警備保障、3位のセントラル警備保障との受注競争が激化している状況だ。特に、綜合警備保障は、ネットワークの拡充、プロモーション、低価格化など積極経営で、セコムを脅かしている。パイオニアとして業界をけん引してきたセコムが今後どう発展していくのか注目される。13case

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