0KF2_A1F2
9/12
経営戦略は、企業の存在意義や目的を表した「経営理念」と未来像を表す「ビジョン」を実現するための施策とその実施ルールであり、経営理念やビジョンと一貫性が保たれていることが必要である。企業は経営理念を掲げて、それに沿って将来ありたい姿としてのビジョンを描く。経営戦略は、ビジョンを実現するための施策とその実施ルールと位置づけられる。まず、企業経営において最上位にあるのが経営理念である。経営理念は、企業の存在意義や目的を表明したものである。例えば旅行大手のエイチ・アイ・エスは、「ツーリズムを通じて、世界の人々の見識を高め、国籍、人種、文化、宗教などを越え、世界平和・相互理解の促進に貢献する」という理念を掲げている。人は、自分が関係する企業や自分の業務が社会・顧客などにとって有意義であると分かると、能動的に企業に貢献しようとする。そのため社会的に意義のある経営理念を掲げるとともに、従業員との間で経営理念を共有し、経営理念にのっとった規律ある事業活動を目指す企業が増えている。経営理念を掲げたら、その理念をベースに、ビジョンを設定する企業が多い。ビジョンとは、企業が将来どのように発展を遂げたいかという構想や未来像である。日本電気(NEC)は1977年に小林宏治会長(当時)が新ビジョンとして「C&C(Computer&Communication)」を打ち出した。これは、コンピューター技術と通信技術が半導体・ICの技術を媒介してやがて融合していくという洞察をもとに、その融合領域でのリーダーを目指すという自社のビジョンを表現したものである。当時、コンピューターと通信は別物だという認識が一般的であったが、小林の洞察通り市場・技術は進化、1980年代以降のNECはC&Cのビジョンの通り発展した。(1)経営理念(2)ビジョン18経営理念・ビジョンと経営戦略2
元のページ
../index.html#9