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マーケティング・コンセプトとは、マーケティングの方向性を決定付ける基本となる考え方である。主流となるマーケティング・コンセプトは時代とともに変化してきており、現在は「顧客志向」の考え方が中心である。需要が供給を上回る時代、つまり「作れば売れる」時代の考え方である。「いかにしてたくさん作るか」が重視され、効率的な生産体制の整備が最優先で志向される。工場で働く労働者の作業のマニュアル化、自動化によって、画一的な商品を大量生産する体制が整備される。「顧客は低価格で手に入れやすい商品を好む」という前提のもと、大量生産によるコストダウンや大規模な流通システムの構築が目指される。大量生産の体制が整い、供給が需要を上回るようになると、低コストで大量生産したものを「どうすれば売れるか」「いかに売りさばくか」を考えることが重要になる。「商品ありき」の発想であるから、プロダクト・アウトとも呼ばれる。「各企業の生産する製品に、大きな差異が見られない」「顧客は、企業が何もしなければ、その企業の商品を選ばない」という考え方に基づいて、販売とセールス・プロモーションの積極的な実施が志向される。顧客志向のマーケティングは、現代マーケティングの基本理念となっている考え方である。商品が一通り顧客に行き渡っているため、前ユニットで見た顧客満足の実現に重点がおかれる。企業は、市場調査を中心とするさまざまな手段によって顧客のニーズを探り、どうすれば顧客満足が得られるかを考え、それを満たすような商品を生産する。販売志向のマーケティングで志向された「商品ありき」の考え方であるプロダpointunit2(1)生産志向のマーケティング(2)販売志向のマーケティング(3)顧客志向のマーケティング16マーケティング・コンセプトの変遷

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