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第1章クト・アウトのアプローチに対し、顧客のニーズに合った「顧客が本当に欲しい商品」を作るマーケット・インのアプローチである。社会的な視点から商品やサービスの存在理由を問い、社会的に責任を果たそうとする考え方である。顧客に必要とされ、売れる商品であっても、その商品が社会に悪影響を与える場合は、それを作ったり、売ったりしない。企業の利益・顧客の満足・社会の利益の調和を図ることが重要とされ、ソーシャル・マーケティングとも呼ばれる。現在では、「顧客志向」を中心としながら、社会的責任を果たそうとする「社会志向」のマーケティングにも配慮する企業が増えている。社会志向のマーケティングを実施すると、短期的には企業の利益にマイナスの影響が及ぶこともある。しかし、環境への配慮や、社会的なマナーの確立、社会貢献などを地道に訴える活動は、企業イメージの向上につながり、ひいては顧客の獲得や固定化に有効に作用し、中長期的には利益をもたらすようになる。図表1−2 マーケティング・コンセプトの変遷いかに生産力を向上させるか生産された商品をいかに販売するか顧客のニーズに適合した商品を、いかに生産・提供するか長期的な視点に立って、社会や人間の福祉にいかに貢献するか生産志向生産優先の考え方販売優先の考え方販売志向顧客優先の考え方顧客志向社会志向社会全体の利益優先の考え方(4)社会志向のマーケティング17
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