1GAT0-01-0002
1/8
第1節上級管理者への期待と役割節6内外環境のさまざまな変化に対して、上級管理者はどのような態度で臨めばよいのだろうか。本節では、変化の激しい今日において、上級管理者に求められる役割を概観する。また、役割を遂行する上で上級管理者には高度な意思決定力が求められることも併せて理解する。社会・経済のグローバル化、国内産業の空洞化、技術革新の加速、情報化、人口・労働構造の変化、自然環境の変化等々。私たちが生きている時代は変化が急激で競争が激しい。過去の成功体験は日々陳腐化する。先行きは不透明で不確実……。こんな書き出しで始まる文章を目にすることが実に多い。しかし、危機をあおられ過ぎると、多くの人は身構えてしまい、かえって思考は働きにくくなる。冷静に考えてみるとよい。製品・サービスや市場、用いる手段は変わっても、「価値創造と顧客創造によって利益を得る」という事業の本質は変わっていない。表層的な事象に目を奪われると、それが実は過去にも似たような例があったのか、本当に重視すべき画期的な変化なのかも分からなくなってしまう。これは言うなれば歴史の軽視であり、これまで積み重ねてきたこととの断絶である。際立った存在であり続ける企業(ビジョナリー・カンパニー)の源泉を解き明かしたジム・コリンズは、次のような言葉で「変化の神話」を否定している。「ビジョナリー・カンパニーの基本的価値観は揺るぎなく、時代の流れや流行に左右されることはない」(『ビジョナリー・カンパニー』日経BP出版センター)。こうした企業は進歩への意欲が極めて強いため、基本理念を曲げることなく自らが変化し、適1 変化に対する姿勢(1)変わるものと変わらないもの
元のページ
../index.html#1