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第1章上級管理者の役割と意思決定応できるのだという。また、国内の長寿企業研究によると、100年以上の歴史を持つ長寿企業が創業以来変えずに守っていることの第1位は「信用第一・コンプライアンス重視」の姿勢、変えてきたことは「組織」「調達先」「販売先」であった(『長寿企業の訓え』東京商工会議所)。いつの時代でも、顧客の切実な課題を解決できる商品・サービスのみが生き残るはずだ。真しん贋がんを冷静に見極め、変わるものと変わらないものを正しく認識する姿勢を忘れてはならない。本当の創造性は、変わらないものを追求するために、自らを意識的に変えていくところから生まれるものである。では、上級管理者が着目・洞察すべき「変化とその影響」にはどのようなものがあるだろう。いくつか挙げてみよう。①人口構造の変化人口構造は確実な変化が見込まれる上に、あらゆる事業者に影響をもたらす。2016年6月現在の日本の総人口は約1億2696万人、生産年齢人口は約7687万人(総務省統計局)。これが2060年には、総人口が約8674万人、生産年齢人口が約4418万人になると見込まれている(国立社会保障・人口問題研究所)。企業にとっては、高齢者の活用や、国籍や民族を問わない労働力の確保なども重要かつ緊急の課題であろう。自社の経営理念やビジョンを明確に認識し、これから先の事業や組織のあり方を構想することは、上級管理者にとって最重要の使命である。②文化や市場の多様化人口構造の変化は、文化や市場に多様化をもたらす。時代を振り返ってみると、第二次世界大戦後の先進国市場は、若年人口の価値観、生き方、好みによって支配されてきたといえる。世界的な消費財(2)では、何が変わるのか7

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