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企業が永続・発展するには顧客に価値を提供し続けることが欠かせない。時代の変化に伴って、対応する顧客や提供する価値の中身は変わるが、本質的な活動目的は変わらない。ただし、商品やサービスに「価値」を認めるのはあくまでも「顧客」である。それゆえ、顧客を理解するという至極当たり前の行為が重要なのである。加えて、私たちが意識しなければならないのは競争の存在だ。私たちにとっては唯一無二の大事なお客さまであっても、顧客から見れば、わが社はあまたあるサプライヤーの一社にすぎない。生き残るためには、自社ならではの「優位性」(つまりは、顧客にとっての「買う理由」)を持たなければならず、これを創り出すことこそが経営戦略の目指すところである。優位性を創り出すための具体的な課題は、顧客の創造と価値の創造である。この両者にはバランスが必要だ。新市場の開拓や顧客の深耕は常に緊急性の高い課題だが、仮に強い営業力や目新しいビジネスモデルで顧客を引き寄せても、提供する価値が乏しければいずれ見切りをつけられてしまう。逆に、どれほど優れた商品・サービスを抱えていても、顧客にメッセージが届かなければ宝の持ち腐れになる。ゆえに上級管理者は、自らがどの部門の責任者であったとしても、全体を俯ふ瞰かんして最適な施策を打ち出さなければならない。そして、これらすべての活動主体となるのが、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源である。限りある資源をやりくりしながら企業を持続的な成長軌道に乗せるのが、マネジメントの要諦である。経営トップが会社全体の方向付けに責任を持つ立場だとすれば、本部長や部長などの上級管理者には部門経営者としての活動が期待され102 上級管理者に求められる役割(1)企業の課題とマネジメント活動(2)上級管理者への期待と現状

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