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第1章上級管理者の役割と意思決定る。その内容は、既存事業の指針策定や所轄組織の方向付けのみならず、新たな事業や仕組みの企画立案、その実現に向けた適切な組織運営や組織育成にまで及ぶ。組織の活動領域や情報資産、ノウハウ、技術力等の幅を広げるためには、外部機関との多様なネットワーク形成も大切な役割である。部長と課長との最大の違いは、持つべき外部視点の割合の大きさである。部下が増えたとしても、課長時代に得意だった内部視点のみにとどまっていると、いつまでたっても「大課長」の域を超えられない。また、上級管理者には将来の経営幹部としての期待もかかっている。これからの経営幹部には、磨き上げた意思決定力を武器として、自ら主体となって変革と創造を推進できる人材が求められている。しかし実際には、上級管理者であっても目前の課題対応に追われている現実がある。慌ただしい日常業務に忙殺され、本来必要な中長期課題の検討には十分な時間を割けていない。当たり障りのない意見が多く、発想そのものも小粒になっている。このような現状に対して、経営トップ層は次のような言葉で危機感を表明している。・「人柄のいい人が多くて、勤勉で、実直で、おとなしいし、礼儀もわきまえている。だが、人がいいだけで世界で戦いに勝てるのかというと、大いに疑問がある。」(富士フイルムホールディングス 古森重隆氏)・・「人と違っているといじめに遭う世界で育ってきた人達が、安定志向の職場にいて、国内マーケットの顔見知りの中だけでビジネスを行っている。そういう人達が外のマーケットで闘っていけるのか」(日立製作所 中西宏明氏)11(『次世代経営人材の育成に関する経営トップインタビュー』野村総合研究所)

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