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(3)What/Whyを打ち出す場面としての職場目標設定24①外部環境に対する職場の適応力を低下させる上位者からあてがわれた目標に全面的に依存し、自らはWhat/Whyの打ち出しをしない管理者の下では、部下も、お客さまや競合の動向をはじめとする組織の外部環境の変化に関心を持たなくなる。ましてや、自職場をこうした変化に適応させるための方策を自律的に考えることなどできなくなるだろう。②部下の意欲や成長を減退させる上位目標への意味づけもなく、あてがわれた目標を部下に割り付けることが習慣になれば、部下にとって目標はノルマ以上の意味合いを持ちえず、モチベーションを低下させることになる。また、部下はこぞって「少しでも低い目標」を望むようになり、高い目標に意欲的にチャレンジする習慣のない職場となってしまうだろう。つまり、How一辺倒のマネジメントでは、職場の成果も部下の成長もほとんど期待できなくなるのだ。期のマネジメントは、管理者が所管する職場全体でどのような成果を目指すのかという職場目標を設定し、部下に提示することから始まる。これを受けて部下は、職場目標の達成に向けて自分はどのような貢献をするのかを主体的に考え、個人目標を設定することになる。このプロセスにおける職場目標の設定と提示は、管理者が考えるWhatとWhyを部下に公式に表明する場という意味合いを持つ。管理者は、たとえ上位からブレークダウンされた売上数値目標であっても、自分自身が打ち出すWhat/Whyとしてその目標に主体的に意味づけし、説明を伴って部下にブレークダウンしなければならないのだ。このように、管理者による職場目標の設定は、Whatのマネジメントを具体的に推進する上でとても重要な行為なのである。

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