1NEA0-04-0021
2/9

轢2あつれき●ケース海山食品は、従業員500人の中堅食品メーカーである。売るべき商品やその売り方をめぐり、商品開発関連あるいは原材料の仕入れ担当のセクションと、販売を担当する営業セクションとのあいだに、軋が生じる機会は多い。また、この両セクションに加え、販売促進や広告のセクションによる三つどもえの責任論を展開する場合もある。営業部門は、競合商品に対する自社商品の優位性が低いことから、「もっと売れる商品を開発すべきだ」「商品イメージにインパクトのあるものが欲しい」「価格は競合商品より安くなくては売れない」と、商品価値や商品イメージを問題視することが多い。逆に商品開発部門では、自社商品は競合商品と比較して優位性があるという認識を強くもっている。売上げが上がらないとすれば、その原因は「売り方が悪い」「営業力がない」と、販売政策や営業パーソンの意識・行動を問題視することが多い。この商品にかかわる社内の関係セクションのなかでは、いったい、だれが正しいのだろうか。海山食品の従業員は、どのような人のどのようなニーズにこたえるために商品をつくり、だれに売ろうとしていたのだろうか。また、自社の開発力や販売力の、何が強みで何が弱みだと認識していたのだろうか。さらに、競合企業の力をどのようにとらえていたのだろうか。企業においては、多種多様なセクションや個人がかかわり合い、商品販売を通じて利益を得るための活動を行っている。経済が成熟化し、競争が激化する事業環境のなか、企業や個人が、その目的や目標を確実に達成するためには、どのような考えで、どのように行動したらよいのだろうか。

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る