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8■5マーケティングの定義マーケティングの基本テーマは顧客の創造と維持にあるが、時代の変化や環境の変化によって、その概念を変えており、マーケティングを定義づけることは一筋縄ではいかない。実際に、世界中の学者や機関がさまざまな定義づけをしている。そのなかでも最もよく認識されている、アメリカ・マーケティング協会(AMA)の2004年の定義を見てみることとする。この定義によると、「マーケティングは、組織的な活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニケーションを行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた組織および組織のステークホルダー(顧客や取引先など企業に利害関係をもつ人)に恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである」となり、1985年の定義と比較して、次のような2つの違いが見られる。1つ目は、旧定義の組織(企業)と個人(顧客)という2者間の関係を、新定義では、企業を取り巻くステークホルダー(顧客、株主、従業員、取引先、地域住民、求職者、投資家、金融機関、政府…等)とし、その範囲を拡大している点である。2つ目は、旧定義にあった「4Pという売り方の最適化」を述べていたものが、新定義では売ったあとの「顧客関係の管理」にまで踏み込み、持続可能な関係性を志向していることである。出発点 焦点 ■図表1−3セリングとマーケティングの概念の対比販売および 販売促進 顧客 ニーズ 統合的 マーケティング 手段 セリングの概念 マーケティングの概念 目標 工場 既存製品 市場 (出所:P.コトラー 『マーケティング原理』新版 ダイヤモンド社 p.20 一部変更)売上高増加 による利益 顧客満足 による利益

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