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第3節品種のカテゴリー構成と品目ミックス 59第2章●商品計画の戦略的立案  こうした商品分類プロセスのうち、サブクラス段階におけるカテゴリー分類の方法によって単品の選択は大きく変化する。それだけに、クラス分類が決定したら、どのような切り口(テーマ)の品ぞろえで商品構成するかというサブクラスの分類基準が商品をディスプレイするうえで重要なポイントとなってくる。すなわち、サブクラスの新しいくくり方やとらえ方によって、取扱商品ばかりでなく売場のイメージも変わってくるのである。 小売店のゴンドラを見たとき、サブクラスのカテゴリー分類が生活シーンに対応して明確であるほど、消費者にとって買いやすい売場になる。サブクラスのくくり方は、時代とともに変化していく。その変化に対応した分類基準や商品政策(マーチャンダイズ・ミックス)を有しているかどうかが小売業の成長をはかるモノサシとなって表れる。 消費者ニーズの多様化・個性化がより一層進展する今日では、従来からのメーカー側の業種発想的な管理手法で小売業が商品分類していくことは有効的ではなくなっている。したがって、これからの時代における小売業のマーチャンダイズ・ミックスの最重要テーマとなるのが、生活シーンにもとづく経営手法としての“カテゴリーマネジメント”(第3章第2節参照)という考え方である。 商品構成は、一般的に部門別管理を基本として、商品カテゴリー(品種)構成→品目構成の順に取り組む。これに先立って、一定基準による商品分類が必要となる。その商品分類の基準としては、大きく分けて生産(ブランド)体系型商品分類と生活(シーン)体系型商品分類がある。 従来、小売業においては、メーカー別やブランド別などの生産(ブランド)体系型商品分類がよく用いられてきた。これは、どちらかといえば、商品供給サイドの都合を優先した分類である。 一方、商品構成は店頭のディスプレイとも密接にかかわっている。チェーンストアでは、同一カテゴリー(品種)に属する品目はひとかたまりのディスプレイ(陳列)ゾーンを形成する。したがって、異なったメーカーやブランドの商品であっても、たとえば、用途が同じであれば同一カテゴリーに編入して、同一ディスプレイ(陳列)ゾーンで展開したほうが、顧客にとって商品を比較しやすく選びやすい。これが生活(シーン)体系型商品分類である。3-2商品構成における商品分類の方法

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