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1 (2) 業務作業自体の失敗の防止 業務の指示内容は、正確に理解できても、作業工程の中で、自分の業務の進捗状況の把握ができなくなること、作業が他の作業工程と類似するところがあり作業が混乱してしまうこと、完成品と未完成品を混同してしまうこと、既決書類と未決書類の区別がつかなくなることなど、作業の工程の中で生じ得る人為的ミスはたくさんあります。 こうしたヒューマンエラーは、次に示すような、人間の持つ、様々な知覚能力を良好な状態に保つ工夫により、防止することができます。 こうした様々な工夫により、作業ミスの防止のみならず、作業効率や労働安全が図れます。 ヒューマンエラーの防止については、労働災害に関する調査・分析をもとに、アメリカの安全技術者であるハインリッヒ(H.W.Heinrich)が提唱した「ハインリッヒの法則」について理解することも有用です。 ① 間違えやすい数字やアルファベットなどは使用しない。 ② メモをとるなどして、行わなければならない作業のし忘れを防ぐ。 ③ 既決箱と未決箱を文字表示だけではなく、色違いのボックスに変える。 ④ 作業経過を明確にするため、色のついたカードを作業工程表に置き、色覚で作業の進捗状況を把握できるようにする。 ⑤ 類似部材について、部材入れの色分けとともに、作業工程の順番に従った部材配置方法を取り入れるなどの工夫をする。 ⑥ 精密作業など、視神経を一般の作業より使う場合は、照明を適正な照度に調整し作業環境を良好に保つ。 ⑦ 危険性の高い作業では、複数で他人の声による、安全点検の点呼を行う。 ⑧ 騒音の激しい部署では、ノイズキャンセル・ヘッドホンの着用を義務付ける。 29件の軽微な事故・災害1件の重大な事故・災害300件のヒヤリハット出典:中島健一(2012)『経営工学のエッセンス』p.13を修正 29300

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