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他人にわかっている 他人にわかっていない自分にわかっている 自分にわかっていない 出典:ポール・ハーシィ他(2000)『行動科学の展開〔新版〕』p.303を修正 窓」と呼ばれています。 ジョハリの窓では、自己を、①自分も他人も知っている「開放の領域」、②自分では気づいていないが他人は知っている「盲点の領域」、③自分は知っているが他人は知らない「秘密の領域」および④自分も他人も知らない「未知の領域」の4つに分けて分析します。 部下や上司などとの関係で、①開放の領域が広ければ広いほど、自己開示が進んでいるとみることができます。また、②盲点の領域にあたる項目については、自己を省みたり、他人に尋ねて自己の行動にフィードバックしたりすれば誤解やトラブルを避けることができます。また、③秘密の領域については、必要に応じて自己を理解してもらえるようにコミュニケーションを図っていきます。④未知の領域は、これまで意識されていなかった部分ですので、従来気づかずにいた才能などが発見されることがあります。 マネジャーは、自分を理解してもらい、または部下を理解するために、ジョハリの窓を用いて、お互いのことを開示し合うことも有用です。 具体的には、①の開放の領域を広げて③の秘密の領域を開放することが必要です。いわば、垣根を取り払うといった自己開示を進んで行うことで、自分というものを相手によく理解してもらう行動です。そのことを契機として、部下(上司)は、これまで以上にマネジャーのことを知るようになり、親近感や信頼感を抱くことにつながります。また、重要なことは、マネジャーによる自己開示をきっかけに、部下(上司)がマネジャーをどう見ていたのかをフィードバックしてくれるようになり、マネジャー自身が気づかなかった②の盲点の領域を自覚するチャンスにもなります。②の盲点の指摘については、これを真摯に受け止め、今後の行動の改善点とすることが大切です。 ① 開放の領域 (open self) ③ 秘密の領域 (hidden self) ② 盲点の領域 (blind self) ④ 未知の領域 (unknown self)

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