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POINT 部下への権限委譲のポイント マネジャーに求められる「仕事の減らし方」 ステップアップ 整理してみましょう。 ①は急ぎでかつ重要な仕事です。仕事の内容にもよりますが、①に当たる仕事についてはチームとして真っ先に取り組むべきでしょう。 ②は急ぎではないが重要な仕事です。急ぎではないが重要な仕事というのは、現状の顧客や課題の分析をはじめ仕事をより効率化させるチーム体制の改善、将来に備えた商品の企画などが挙げられます。組織の長期的な成長に貢献し、複数年度に渡って取り組むべき仕事ともいえます。マネジャーは、その仕事の重要性を認識し、自らその実現のために注力すべきです。 ③は重要ではないが急ぎの仕事です。前述のとおり、マネジャーはこれに当たる仕事は部下に委譲し自ら行わないようにすべきです。 最後に、④は急ぎでも重要でもない仕事です。この仕事は、行うべき積極的な理由がない限り最後に処理することとなります。 部下といえども、マネジャーから細かい指示ばかりで、部下の業務の制約が多すぎると、業務に対する意欲は高まりませんし、何よりも成長のスピードが遅くなります。 連合艦隊司令長官であった山本五十六の「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」という有名な言葉には続きがあります。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」という言葉です。 部下に当事者意識を持たせ、成長を促すためにも、権限委譲をすることはマネジャーの重要な仕事の1つです。 このような観点から、以下の点に留意して、部下に権限の委譲を行うとよいでしょう。 ① 部下を信頼して、自分の業務を委ねるという姿勢を持つ ② 部下の育成という観点を忘れない ③ 委譲した業務も、最終的には自分の責任の範囲と自覚する ④ 部下の技量を考えて、委譲した業務の報告を適宜求める マネジャーは、重要ではないが急ぎの仕事を部下に任せ、より重要な仕事に取り組むべきですが、現実にこれを実行することは難しいと感じることが多いのではないで

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