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122415234ステップアップ プロジェクトの工程管理に役立つPERT図 際に実施した日を実績として記入するようにすると、進捗状況の把握が容易です。 以上により、PDCAサイクルにおけるPlanすなわち業務計画が立案できます。 次に、PDCAのうちのDo(実施)とCheck(検証)について説明します。 プロジェクト管理において時間管理は重要な要素の1つです。重要な点は、何を、何時までに仕上げるのかということの徹底です。特に大きなプロジェクトには数多くの作業が必要であり、すべての作業を書き出して個々の作業の前後関係を明確にしながら計画を立てなければなりません。このように、個々の作業から前後関係を明らかにし、全体の作業日数を計算し、どの作業が重要であるかを明確にする方法にPERT(Program Evaluation and Review Technique:日程計画法)があり、PERTを一定のルールに従って図示したものがPERT図(アローダイアグラム法)です。 上記のPERT図の例では、①がプロジェクトのスタートを、④がゴールを示し、丸で囲われた数字(これを「結合点(ノード)」といいます)を結ぶ矢印が作業を表します。この作業を表す矢印の近くに書かれている数字は、その作業に必要な日数です。作業とそれに必要な先行作業との関係を意識して、作業全体をPERT図にしていきます。 PERTによって、確率的に確からしいプロジェクトの日程を計算することができます。しかし、実際のプロジェクトは、早ければ3日で終わるかもしれないし、場合によっては8日かかるかもしれません。実際には、最速で行った場合に作業が終了するであろう時間(楽観時間)と最も遅く作業が終了するであろう時間(悲観時間)、そして通常の場合における時間(最頻時間)からその作業日数を考慮します。このようにPERTでは、不確実性の高い状況の下での意思決定が必要です。 プロジェクトにおいて最も重要な作業工程は、作業の中でひとつでも所要日数に遅れが生じるとプロジェクト全体が遅延してしまう作業工程です。PERT図によって明らかになるこのような重要な作業工程ことを「クリティカル・パス」といいます。マネジャーは、プロジェクトを遂行する上でクリティカル・パス上の作業を最重要作業と位置づけ、決して作業の遅延が出ないように注視する必要があります。 一方で、余分な費用をかければ、同じ作業でも早く完了させることができますが、その短縮期間にも限度があります。投資する費用に対してどれほど時間が短縮できるか、またどの作業から短縮するかなどを考慮しながら、できる限り投資費用を抑えつつ限られた期間内に早くプロジェクトを完了させるかを計算する手法を、CPM (Critical Path Method) といいます。

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