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この節のねらい マネジャーは、部下を評価するに際して適切でない人事考課を行うと、部下のモチベーション低下を招き、ひいてはマネジャーに対する部下からの信頼を失わせてしまうおそれがあります。 この節では、部下を評価するにあたって、あらかじめ注意しておくべきことや、評価基準の明確化や、マネジャー自身がその目で確かめることなどの、公平で不満が出ない評価をするために留意すべき点について学習します。 どのような人事考課制度であるかにかかわらず、マネジャーが部下を評価する際に注意すべきポイントは次のとおりです。 7-1 部下とのコミュニケーションを活発にする マネジャーは、部下を評価するにあたっては、進んで部下とのコミュニケーションを図る必要があります。 マネジャーは、必要に応じて部下との面談を実施するなど、コミュニケーションを深めるための機会を積極的に持つようにします。 7-2 チーム内での適材適所の人材配置を目的とする マネジャーは、部下の強みを生かし弱みをなくして、その能力が最大限に発揮されるように部下を配置し仕事を割り振るよう努めるべきです。 部下の仕事に対するモチベーションが上がらず業績が悪いと感じたときには、単にその部下の評価を下げるにとどまるのではなく、その部下の当該業務に対する適性などを考慮するべきです。 7-3 部下の評価の公平性・納得性を確保する (1) 部下の評価を不正な目的に利用しない 人事考課が、セクハラやパワハラなどに関連して、不正な目的のために利用されることは許されません。また、相性が合わない、気に入らない部下を貶めるために悪い評価をするような不公正なことは、決して許されることではありません。 (2) 評価基準をあらかじめ明示する 部下が目標達成に向けて邁進するために、何が求められる行動かを示す「評価基準」を明確化することは、部下の納得を得るために必要です。 部下を評価する際のポイント 節 7

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