セクハラ・パワハラ・マタハラ防止
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54(ポイント) 妊娠に伴う軽易業務への転換請求を契機とした降格は、原則として男女雇用機会均等法第9条第3項に違反し、無効であるとした。(事案の概要)原告:女性労働者(理学療養士) 被告:A病院 病院の理学療法士として勤務する女性労働者につき、妊娠したため、労働基準法第65条第3項に基づいて軽易業務への転換を請求し、この異動により、これまでの副主任の役職を免ぜられたが(措置①)、その後育児休業明けに副主任に任ぜられなかった(措置②)事案につき、当該女性労働者が、措置①は男女雇用機会均等法第9条第3項に違反する無効なものであり、措置②は育児・介護休業法第10条に違反する無効なものであると主張し、副主任手当及び慰謝料等の損害賠償を求めた。(判決要旨)○原判決破棄、差し戻し 男女雇用機会均等法第9条第3項は、これに反する事業主の措置を禁止する強行規定と解することが相当とした上で、女性労働者につき、妊娠・出産・産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとして違法であり、無効であるというべきであると判断した。(一審、差し戻し前の控訴審では原告の請求が退けられていた。) そして、例外的に、①当該労働者につき自由な意思に基づいて当該不利益取扱いを承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は②事業主において当該労働者につき当該不利益措置をとることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、当該措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いにあたらないものと解するのが相当である、と判断した。(最高裁 平成26年10月23日判決)マタニティーハラスメントに関する裁判例から行為者や企業の責任を考え、マタニティーハラスメント防止の重要性を考えます。Ⅵ知っておきたい裁判例❶ A病院事件学ぶこと知っておきたい裁判例
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