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今から約二千五百年前、春秋時代の中国は大動乱期にありました。諸侯が独立し、国の存亡をかけて各地で戦争を繰り広げる、いわゆる群ぐ雄ゆ割か拠きの時代です。その乱世に誕生したのが、今回ご紹介する『孫子』です。『孫子』は、春秋の五覇と呼ばれた諸侯の一人、呉王闔こ廬りに仕えた孫そ武ぶがまとめたとされる軍事思想です。呉が行った激しい対外戦争の経験をもとに樹立したとされています。『孫子』は世界最古の兵書として知られ、さまざまな言語に翻訳され世界中で読まれている古典です。世界史においては、フランス皇帝ナポレオンや、ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世なんようんうつよPROFILE4乱世を生き抜くための哲学(ゆあさ・くにひろ)大阪大学大学院教授1957年、島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。北海道教育大学講師、島根大学助教授、大阪大学助教授を経て、2000年より現職。専攻は中国思想史。古代の竹簡を解読し、諸子百家の思想について研究を進めている。また、江戸時代の大坂学問所・懐徳堂(かいとくどう)の研究と電子情報化に取り組んでいる。著書は、『孫子・三十六計』(角川ソフィア文庫)、『孫子の兵法入門』(角川選書)、『論語』『菜根譚』『諸子百家』(以上、中公新書)など多数。編著に、『概説中国思想史』『名言で読み解く中国の思想家』(以上、ミネルヴァ書房)、監修に、『「孫子」叢書』全25巻(大空社)などがある(2014年現在)。湯浅邦弘

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