B890・B9C0
7/8
よそ戦争というものが行われる手順のとおり、まず作戦を立て、軍事行動を開始し、戦場に赴き、戦闘が始まる、という時系列にほぼ並んでいるのではないかと思われます。そして最後にスパイに関する篇があるのが、非常に大きな特徴となっています。今ではもちろん常識とされていますが、当時において、戦争における情報の大切さを説いたという点は画期的なことでした。それまでの戦争とは、事前の情報収集に腐心するというよりは、とにかく現場に行って奮闘してみようというものでした。ところが『孫子』は、情報こそが勝敗を決める、情報の収集と分析によって勝敗の八割がたは決まってしまうと喝か破ぱしたのです。現在では、スパイどころか軍事衛星まで使って相手国の情報を収集するのは当然のこととされています。しかし当時において、戦争と情報を結びつけたことは、極めて新しい考えだったのです。冒頭の計篇、結びの用間篇以外の篇についても、簡単に内容を紹介しておきましょう。二番目の「作戦篇」は、慎重な開戦と迅速な切り上げの重要性を説く篇です。三番目の「謀攻篇」は、戦力を消耗しないため謀略による攻撃を説いています。『孫子』の兵法の真髄を説く一篇です。四番目の「形篇」と五番目の「勢篇」は、よくセットになっていると言われまつ10
元のページ
../index.html#7