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114筆者も、講演などをする手前、話し方を習いに行ったことがあります。話し方を習いに行くのだから、話し方の欠点を徹底的に矯正するのかと思ったのですが、9割は先生が話していて、私は話を聞くだけでした。ところが、このあと講演をしたら「先生は話し方を習いに行ってから、言葉がつかえたり、言い直したりすることがなくなりましたね」と関係者に言われました。さらに文章を書くときも、誤字脱字が少なくなりました。話し方の先生はガンガンしゃべるので、的確に聞くようになります。それが頭に残っているので、その歯切れのいいしゃべりを真似することができます。しっかり聞けば、正しく話すことができることに、私はこのとき気づきました。ですから、近所にいるおしゃべり上手の人の話を聞くだけでも、解決のヒントになるのではないかと思います。また、感謝や反省も理解力アップにつながります。理解系脳番地は、前頭部の血管からも後頭部の血管からも一番奥にあり、構造的に血流が薄くなりやすい頭頂部に位置します。ここは空間認知や、大事な記憶や理解の中枢になる場所。人に感謝したり、反省したりするときにこの部分を使うので、理解力が高まるというわけです。このほか、掃除することでもこの中枢部分を使うことができます。どこに何があるから、と空間を認知しながら作業を進めるので、掃除をトレーニングの1つとして取り入れるのも効果的です。このような場合には、「おでこに力こぶをつける運動」を行うといいでしょう(図表5−2)。正しい姿勢をとると、必ず超前頭野の部分に意識が集中します。超前頭野が働けば命令系統が明確になり、記憶力がアップするのです。3人から聞いた話が記憶として残らない

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