B9H0
12/12
5第4 部災害時に即応する防災技術第7節 災害時医療と応急手当第3章 被害軽減に貢献する防災・介助289④ショック体位(図4−3−24) 出血性ショックや立ちくらみの際は、水平に寝かせ足を15〜30センチほど拳上します。⑤回復体位(図4−3−25) 意識がない場合は回復体位をとらせます。舌根沈下を防ぎ、嘔吐しても気道閉塞を防ぎます。横向きのまま顎を拳上します。そのままにしないで20〜30分おきに左右を変えます。[5]クラッシュ症候群 長時間がれきなどの重いものに挟まれている人を救出するのは特別の注意が必要です。目安は2時間挟まれていたらクラッシュ症候群の可能性がありますが、圧迫されている面積が大きい場合は20〜30分でも起こします。圧迫による虚血と筋の挫■滅■■が、心臓を止めるような毒素(カリウム)を多量に作り、圧迫を解除することで全身に毒素が回り、1〜数時間後に死に至る症候群のことをいいます。長時間挟まれている、挟まれた四肢の知覚や運動麻痺がある場合は、自分の判断でがれきから救出しないで、医療従事者を待ちます。必ず側について、精神的なケアに努めます。 クラッシュ症候群は、救出された人がほっとしたところにおそいかかるので、「Smiling Death(ほほえみの死)」とも呼ばれます。阪神淡路大震災では、クラッシュ症候群の372名中、50名が命を落としました。図4−3−22 胸部打撲、胸が苦しい時の体位図4−3−24 ショック体位図4−3−23 腹部打撲、腹痛時の体位図4−3−25 回復体位10
元のページ
../index.html#12