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防災介助士に必要な防災の視点5第2部 第3節 地域の防災力向上のために第3章 「自助・共助・公助」の概念35 東日本大震災(2011年)で、岩手県陸前高田市は市職員が大勢被災し、公助の立 ち上がりが遅れました。しかし、被災当日の夜から地元の建設業者はがれきが押し寄 せた道を重機で再開させ、救助のための取り組みを始めていました。直後の一週間、行政の対応が間に合わない中、避難所に食べ物を配ったり、炊き出しを行ったりする 企業・住民有志の活動もさかんでした。無数にできた小規模避難所の場所や状況を確 認して市役所に報告することにより、行政の災害対応を助けてきたケースもあります。 災害はいつどのような規模で発生するか予測できません。自助・共助・公助の関係 は単なる連携ではなく、いずれかが役割を果たせないときに補い合う関係であるといえます。住民個人・民間事業者・住民組織・行政が地域を守るために最大限の力を発 揮して初めて被害を減らすことができるということを認識し、何重にも対策を行うこ とで、実効的な地域防災体制を構築することができるのです。 避難行動要支援者・身動きできない人無事で動ける人自助(個人)避難誘導・救助負傷や孤立で避難誘導・救助防災介助士・地域住民・民間事業者・住民組織・ボランティア など共助連携公助(行政)図2−3−1 災害直後の自助・共助・公助の関係10
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