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56※3 原料香の発現が低い方が、酵母由来の吟醸香が目立って感じられるようになる。た場合は「高精白(または高精白米)」や「精白率が高い」と表し、あまり削っていない場合は「低精白(または低精白米)」や「精白率が低い」と表すことがある。 また稀に「高精米」「低精米」と表すことがあるが、これは日本酒業界内でも定義が定まっておらず、全く逆の意味を指すことがあるので使用すべきではない(図表2)。低い精米率が高い、低いまたは高精米、低精米などは使用しない方が良い精米歩合精白率(精白)高い(高精白または高精白米)精米率より多く削った状態あまり削っていない状態高い低い(低精白または低精白米)コラム「精米歩合」と「精白(精白率)」「精米率」について 精米歩合とは、酒類業組合法によって「玄米に対する白米重量の割合(いわゆる削った後に残った白米の割合)」と定義されており、精米歩合が低いと、より多く削ったことを指し、精米歩合が高いと、あまり削っていないことを指す。 一方、削ることを「精白」と呼ぶとともに、削った割合を「精白率」で表すことがある。より多く削っ図表2:「精米歩合」と「精白(精白率)」「精米率」の表し方原料処理の工程とんどである。2)精米歩合と精白率 玄米を削り取った後、残った割合をパーセントで示したものを精米歩合と呼ぶ。一般的には、精米歩合が高い(あまり削っていない)ほど原料香の発現が高く、味わいが濃醇になりやすく、精米歩合が低い(かなり削っている)ほど原料香の発現が低く※3、味わいが軽快になりやすいとされる。なお、削り取ることを「精白」と呼び、その割合は「精白率」で表される。(1)精米1)精米の目的 精米とは玄米を削り、白米にすることを指し、表層部に多く含まれるタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルを除くことが目的となる。タンパク質は、アミノ酸(旨味)の要素に変わる重要な成分だが、多すぎると雑味と呼ばれる鈍重な味わいになりかねない。さらに、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルは、麹菌や酵母の栄養素となるが、多すぎると過剰な活動を促進し、望まない酒質になりやすくなる。 なお、飯用一般米が8%程度削るのに対し、日本酒用は30%以上削り取って使用することがほ2 原料処理ここでは、「原料処理」と題し、「精米」「枯らし」「洗米」「浸漬」「水切り」「蒸し」「放冷」について解説する。

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