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  なお、インバウンドゲストに対しては、日本酒の起源である「どぶろく」、室町時代頃に造られていた「菩ぼだいもと提酛」、戦国時代ごろの武将が好んだとされる「僧坊酒」、昭和以前に主流であった「樽酒」や「木桶仕込み」といった、日本酒の歴史や文化を題材とした商品提供が有効となる(現在、菩提酛や僧坊酒を製造している酒蔵が数件存在する)。4容量表記は㎖が好ましい。180㎖(一合)ではなく、60㎖、90㎖、120㎖といった容量で提供すること5専門的なスペック表記は必要ない。ただし、アル6「食中酒」提案を基本とすること(ペアリング、マ1「香味特性別分類(4タイプ)」がバランスよくそ5「IWCチャンピオンSAKE」などの海外コンテスト1281234菩提酛ラベルの一例243だ「おいしい」だけでなく、「お洒落感」などの付加価値を加えた次のような提案が必要となる。 一方、インバウンドゲストに対しては、「日本ならではの飲用体験や特別な体験」ができるような提案が必要となる。 なお、グルメ・トレンド重視層は、男女問わず30~40代が多く、「人気品、流行品に興味を示す」「好奇心旺盛でいろいろと試したがる(反面、顧客化しにくい)」「分かりやすい、楽しい、お洒落感を重視する(分かりにくい、難しいを好まない)」などが特徴として挙げられ、「香味特性別分類(4タイプ)」のような提案が非常に有効となる。ただし、価値判断基準がシビアで、SNSなどを通じた口コミの影響力が強いことには留意しなければならない。グルメ・トレンド重視層向け品ぞろえ例コラムグルメ・トレンド重視層に対する「無濾過生原酒」の提供例 近年、愛好家から人気の高い「無濾過生原酒」スペックの商品だが、香味特性上ではグルメ・トレンド重視層にも好まれやすいものが多い。そこで「無濾過生原酒」の特徴を、次のような表現に変えて提供することで、グルメ・トレンド重視層の購買動機を高めることが可能になろう。そうぼうしゅろっていること(特に薫酒を好む傾向にある)2「スパークリング日本酒」など話題の商品3メディアへの露出が高い人気銘柄4「春酒」「夏酒」などの季節商品受賞歴がある商品POPやメニューには、銘柄にルビを付けたり、カタカナや英語を交え、分かりやすい表記にすること3いろいろ試したいという意向が強いので、数種類試せるセットなどを用意しておくことコール度数は表記することリアージュなどの表現を用いるとよい)7「日本酒カクテル」の提案冷やした状態での提供、ワイングラスやフルートグラスなどの酒器による提供、さらには、日本料理(和食)だけでなく、フレンチやイタリアンなど各国料理との組み合わせ提案を基本とすること吟醸香と原料香が融合した香り甘味と酸味が明確な味わいグルメ・トレンド重視層向け提供例店舗のメニューやPOPには「唎酒師おススメ日本酒」、または、「SAKE Sommelier Selection」などと表記することフルーティーかつふくよかな香りジューシーな味わい(旨味成分はさほど多くない)まろやか、または、なめらかな飲み口軽やかな味わい粘性の高いテクスチャー濃醇すぎない酒質

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