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左 玄米 (精米歩合100%)の状態/右 精米歩合45%の状態竪型精米機精米歩合40%、つまり60%削り取るのに約48時間要する精米機は主にコンピューター制御で管理されている573)日本酒用精米機 精米機には横型精米機と竪型精米機があるが、日本酒用には竪型精米機を使用する(食用は主に横型精米機を使用)。竪型精米機は昭和初期に開発された。精米機の中で金剛ロールと呼ばれる円盤状の大きな砥石が回転しており、米の表面を削り取っていく仕組みとなる(図表3)。 竪型精米機が発明される以前は、杵でつくような技術しかなく、せいぜい10〜30%程度削るのが精一杯であったが、竪型精米機の発明で30%以上削り取ることが可能となり、日本酒の品質が著しく向上。さらには吟醸酒誕生の大きな要因となった(近年では、90%以上削り取った米を使用した日本酒も登場している)。 なお、30%程度削り取るのに(精米歩合70%)約8時間、60%程度削り取るのに(精米歩合40%)約48時間、また90%程度削り取るのには(精米歩合10%)約60時間要するとされる。 また、心白のある酒造好適米は心白部分の組織が脆く、高精白が難しいので、80%以上削り取る(精米歩合20%以下)場合は、亀の尾やコシヒカリなど、心白のない米が使用されることが多い。 なお、精白後に残った米の粉は、玄米に近い部分が赤あかぬか糠などと呼ばれ、赤糠や中糠は飼料または肥料に、白糠は米菓子の材料などとして使用されることが多い。糠、その次が中ちゅうぬか糠、中心部は白たてがたしろぬか図表3:竪型精米機の内部構造

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