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168にその理由を記載しておく)。(1)個性抽出の重要性と手法 品質の評価のコメント中から、最も特徴的な要素を「個性」として抽出する。「外観」「香り」「テクスチャー」「味わい」の中から2~3要素を抽出し、優先順位の高い要素から記載する。この「抽出した個性」こそが、セールスポイントとなるとともに、「適したシーン」「飲用温度」「酒器」「相性の良い料理」などの提供方法を考案する際も、抽出した個性を生かすことを前提とするとよい。(2)留意点の抽出 個性の中で、サービス時、セールス時に留意すべきと思われる要素があれば記入しておく。例えば「滓が残っており、劣化と誤解されないような説明が必要だ」「吟醸香以外の要素が少なく、好む人が限られると思う」「香気の揮発が早そうなので、口径の広い酒器は使用しない方がよい」「辛口フリークでも敬遠するような極端なドライテイストだ」「濃醇な酒質すぎて、ビギナーには薦めにくい」など、自身が感じる留意点を抽出しておくと、質の高い提供につながるだろう(留意点がない場合は、無理に抽出する必要はない)。Ⅵ テイスティング 3 個性の抽出 ポイント①セールスポイントとなる個性を、外観、香り、テクスチャー、味わいの中から抽出する。②提供時に留意すべきと思われる点があれば記入する。③香味特性別分類(4タイプ)のどれに該当するかを判定する(判定しづらいアイテムは、留意点の欄(3)香味特性別分類(4タイプ)の判定 個性抽出後、香味特性別分類(4タイプ)のうち、「薫酒 香りの高いタイプ」「爽酒 軽快でなめらかなタイプ」「醇酒 コクのあるタイプ」「熟酒 熟成タイプ」のいずれに該当するかを判定する(該当する欄一つに〇を記入)。 ただし、「薫酒 香りの高いタイプ」と「爽酒 軽快でなめらかなタイプ」のどちらにも分類できるような商品、「爽酒 軽快でなめらかなタイプ」と「醇酒 コクのあるタイプ」のどちらにも分類できるような商品も存在するので、その場合は、留意点の欄に「爽酒と判定したが、薫酒的な要素も感じた」「醇酒の中では非常に軽快で、爽酒判定もできそう」などと記載しておくとよい。3 個性の抽出ここでは、個性の抽出と題し、日本酒の提供時に役立つ「個性抽出の重要性と手法」「留意点の抽出」「香味特性別分類(4タイプ)の判定」について解説する。
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