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第7条   労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。レイジ先生の理解を深めよう第1章 企業と働く人との約束② 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。③ 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。④ 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。⑤ 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。 第12条   就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。17《 労働契約に伴い、会社にも義務が生じる 》 会社にも当然に信義則が求められ、ハラスメントやパワーハラスメントのようなことがないよう職場環境に配慮しなければならない職場環境配慮義務、労働者が安全かつ健康的に就労できるよう配慮しなければならない安全配慮義務が生じます。●労働契約とは? 労働契約は、労働の対価として賃金が支払われることを、労働者と会社が合意することにより成立します。これにより労働者は、会社が提示する労働条件を基に「労働力」を提供し、使用者の指揮・命令に従うことになるのです。もし、労働者が使用者の正当な指示に従わないということであれば、それは労働契約違反です。 労働契約の内容は、就業規則で定めている内容そのままとなります。ただし、就業規則と異なる内容で労働者と会社が合意しており、就業規則で定める基準に達している場合は、合意している内容が労働契約の内容となります。●労働契約に伴う義務と権利 労働契約を締結すると、労働者には会社に対する信義則が求められます。信義則とは、期待される信頼を裏切ることのないように、誠意を持って行動すべきであるという大原則です。労働者には、会社との約束を守り、課せられた義務を果たし、信義に従い誠実にその職務を全うしなければならない職務専念義務が課されます。 また、会社で知り得た情報を秘密として保持し、会社の承諾なしに外部に漏らして(どんなSNS等への投稿も当然含まれます)はならないという秘密保持義務も課せられています。 義務なくして、権利はありません。権利ばかりを濫らん用よう(むやみに使うこと)してはならないのです。解 説〔関連法律の条文〕労働契約法(労働契約の原則) 第3条 ① 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

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