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A勝敗への不安やプレッシャーがあった一流アスリートたちが実践プレッシャーに負けない超集中力の作り方集中力例16ビジネスでも応用可能 一流アスリートたちは「ゾーン」(または「フロー」)と呼ばれ、集中力が極めて高く、最高のパフォーマンスを引き出せる心理状態を作り出す努力をしている。 ハイレベルな試合では、集中力が低下した方が負けてしまう。「集中力が途切れ、不安やプレッシャーから生まれるマイナス思考にとらわれると、呼吸が普段より浅く速くなり筋肉の微妙な動きが普段とズレてしまう。その結果、日頃の練習通りのプレーができなくなる」(東海大学体育学部教授の高妻容一さん)からだ。 そのため一流アスリートたちは、体力や技を磨くようにメンタル面でも様々なトレーニングを重ね、集中力を高めている。その1つが「プラス思考」を身につけることだ。対戦相手や試合場のコンディションなど自分にはコントロールできないことに、不安や焦りを感じるのは不毛。「今の環境や状況で自分ができるベストを尽くそう」と考えて試合に集中できるように、競技人生の早い段階からメンタルトレーニングの指導者たちに教えを受ける。 雑念を頭から追い払ううえで有効なのは「自分でコントロールできること」と「できないこと」を明確にするためにノートなどに書き出すこと。心が整理されれば、できることにベストを尽くし、その行動自体を楽しめるようになる。よく一流アスリートが「試合を楽しみたい」とコメントするが、それもこうしたプラス思考の結果だ。 プラス思考で集中力を高める手法は、一般のビジネスパーソンにも十分応用可能だ。上司や顧客のアクション、納期など、自分ではコントロールできないものは数多くある。自分でコントロールできること・できないことを一度、書き出してみるといい。 そのうえで、自分ではコントロールできないものを、独力でどうにかしようという考えは捨てる。スケジュールの工夫、入念な準備作業といった自分でコントロールできることだけを考え、ベストを尽くすことに専念したい。そうすれば仕事を楽しもうという前向きな気持ちになれる。結果として、作業にハイレベルで集中でき、高い成果につながるはずだ。2自分がコントロールできることだけに集中し、目の前の仕事を楽しむ姿勢が大切。としてもとプラス思考で考え、不安や雑念が浮かばないから集中力が落ちない。目の前の作業に「集中」し、最大限の成果を出すためには…コントロールできること・できないことを把握するできないことを考えないできることにベストを尽くすコントロールできること自分のスケジュール事前準備の質や量入念な意思疎通 などできないこと高妻容一さんYoichi Kouzuma東海大学体育学部教授、スポーツ心理学・応用スポーツ心理学研究者。スポーツメンタルトレーニング上級指導士。1994年からメンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会をスタートし、事務局・代表を務める。『基礎から学ぶ! メンタルトレーニング』など著書多数。なぜ一流アスリートはプレッシャーに負けずに試合に集中し続け、結果を出せるのか?今の状況で自分ができるベストを尽くせばいい上司顧客納期 など日経ビジネスアソシエ特別編集版著者 株式会社 日経BP※無断転載・複製を禁ずベストを尽くすことが集中力の源泉Q

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