シニアフードアドバイザー資格認定対応 高齢者に寄り添う 食事と調理法
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い為むこのように様々なものを喪失したまま「時の賜物」を無7ぐう遇おう応しつ失そうまた、私たちは高齢期から老年期にかけて、人生の中で最も多くの喪そうに遭「退職による社会的地位・収入の喪失、親・祖父母としての役割終了による家族一体感の喪失、配偶者・友人・ペットとの死別による自分が愛する者の喪失、そして自らの身体・知覚機能の低下や容姿のおとろえによる自己像の喪失いやに否なく対面するのである」(小向敦子『カジュアル老年学』学文社、2003)に過ごす人生ではそう爽そのための学びと考えます。それは、「人とは何か」「生命とは何か」「人生とは何か」「加齢とは何か」「どのように死を迎えるか」などを探求する学問です。この探求は自分自身を発展させ、自分が生きていく意義を理解させ、長寿化している社会に対しての準備とは何かを気づかせてくれます。そして多種多様な人々と共生し理解し合うために様々な分野の学問を研究し、視野を広めることに役立ちます。現在、日本だけでなく世界中で、かつてないほど平均寿命が延びてきました。アメリカにおけるジェロントロジー研究の第一人者である老年学者のアンセロ(Ansello)は、2004年に、長寿を否定的に考えるのではなく前向きに肯定的に考えるために、長く生きることができる時間を「時の賜たま物もの」と表現しました。寿命が延びたことを、時間という贈り物を頂ちょう戴だいしたととらえ、充実した過ごし方をしようという考え方です。私たちの課題は、このプレゼントされた時間にどう価値を見いだすかなのです。残念ながら私たちには、自分が生きている理由、何を目標にして生きるか、などを考える文化や教育はそれほど多くありませんでした。人類が初めて迎えた高齢社会の今こそ、ジェロントロジーが必要とされています。します。なく、自分が置かれた状況を上手に受容していく必要があるのです。ドイツの作家ヘッセ(Hesse)は、「人は年齢を重ねていくと常識や世間体さっなどから解放され、自分なりの考え方が確立される。その結果、颯と充実した生活を送ることができる」と記しています。高齢期に希望を持ち、自分らしい生き方をすることは可能なのです。体験ジェロントロジーの必要性

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