シニアフードアドバイザー資格認定対応 高齢者に寄り添う 食事と調理法
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魚肉76 パンは水分量が少ないため口の中でまとまりにくく、また唾液と混ざると粘性が高くなります。そのため窒息の危険性が高まるので注意が必要です。パサパサして高齢な方がそのまま食べられない場合は、サンドイッチにすると食べやすくなります。具にはジャムをたっぷり挟んだり、マヨネーズなどを多く使った卵や生クリームなど、つなぎとなるものを入れると、ほどよく水分が含まれ食べやすくなります。 パンを噛みちぎる咀嚼力がない方には、一口大にちぎって口に入れるようにすることが重要です。牛乳などの水分と交互に食べたり、牛乳やスープなどにひたしながら食べるなどの工夫も効果的です。 魚は加熱することで身がほぐしやすくなります。調理方法としては蒸す、煮る、あんをかけるなどが軟らかい仕上がりになります。水分や脂肪の少ない魚は加熱しすぎると身が硬くなったりパサパサになるので、注意が必要です。なお、魚の皮は硬くて噛み切れないので、高齢な方の嚥下の状態を見ながら、取り除くか切り込みを入れるなど、工夫してください。 生の刺身を提供する場合は、比較的軟らかく噛み切りやすいまぐろやサーモンはそのままでも大丈夫ですが、たたきにするとより食べやすくなります。嚙み切りにくいものにはひと手間必要です。たこはそぎ切りにしてからふちに切り込みを入れ、いかは横に走る繊維をたち切るように切り込みを入れてから90度まわして細切り、白身魚は薄い斜めのそぎ切りにしましょう。 赤身の多い肉よりも脂肪が適度に含まれているほうが軟らかく仕上がります。ただし、脂肪が多すぎると冷めたときに硬くなるので、適宜取り除きましょう。厚みのある肉よりも薄切り肉のほうが食べやすいので、炒め料理にもしゃ食材別の調理方法 ここでは、日常的によく食べる食材の特徴を挙げています。各食材の長所・短所を踏まえ、それぞれに適した調理方法で快適な食事を提供できるように学んでいきましょう。 なお、巻末資料として食材別のレシピをまとめてあります。実際に調理する際の参考にしてください。パン

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