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1Part睡眠にまつわる通説は多いが、すべてに科学的な根拠があるわけではない。近年の脳科学の進歩で、こうした通説が次々と覆されている。最新の研究で判明した睡眠の新常識を紹介する。最新脳科学で覆された睡眠の通説知っておくべき六つの新常識理想の睡眠時間は8時間──。かつてもっともらしくいわれていたことだが、科学的根拠があるわけではない。では、いったい何時間眠ればいいのだろうか。実は、必要な睡眠時間には個人差があり、年齢によっても違う。5㌻上図は、欧米で3577人を対象に行われた調査の結果だ。実験施設に宿泊した対象者の脳波を測定して睡眠時間のデータを得ている。この図から分かるのは、年齢によって睡眠時間が違うということだ。10歳ごろまでの睡眠時間は9時間近いが、40代以降は6時間台前半、70歳を過ぎると5時間台になっている。もっとも、必要な睡眠時間には個人差があるため、これらの数値も参考値でしかない。睡眠メカニズムの研究や不眠治療を行っている医師は、「睡眠時間の長さをあまり気にする必要はない。十分な睡眠が取れているかどうかは、日中の体調から判断すればいい」とアドバイスする。 13㌻で詳述するが、睡眠時間が長いのに日中に強い眠気を感じている人は、睡眠時無呼吸症候群(眠っている間に呼吸が止まる病気)を疑うべき場合もある。自分の睡眠状態を知りたければ、12~みよう。平日は睡眠不足になりがちなので、その分、休日に寝だめしておこう。そんなふうに考えている人は多いのではないだろうか。この考えは間違っている。睡眠©123RF       4新常識2こ寝睡とだ眠はめ不でし足きてになお備いくえて新常識1必個年要人齢にな差よが睡っあ眠てり時も間違にうは人間はなぜ眠るのか。この根源的な問いに対する答えは、いまはまだない。しかし近年、最新の脳科学によって、少しずつ睡眠のメカニズムが明らかになってきた。13㌻の自己診断表でチェックして最新脳科学で解明睡眠のメカニズム

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