リラックス&リフレッシュ!アロマテラピー入門
3/8

アロマテラピーを体験しようよって構成されているため、全く同じものを人工的に生み出すことは困難です。ただし、現代の技術をもって精油の成分を合成し、よく似た香りを作り出すことはさほど難しくはありません。ているものの多くは、合成香料です。こうした人工的な香りが人に与える総合的な効果は、純粋な精油に比べるとはるかに劣ります。それは、造花のバラを本物のバラと比べるのと同じようなものです。純粋な精油は、たくさんの音色のような香りで構成された繊細な交響曲であり、個々の香りが1つに響き合っているからこそ心に届き、身体にも優しいのです。れるのは、それらが純粋な精油よりも安価で、品質が安定しているからです。精油産業は、フレーバーが欠かせない食品業界や、フレグランスを扱う香水産業からの需要を受けて発展しました。市場は、廉価で品質が常に安定しており、収穫期のたびに香りの変わらないものを原料として求めているのです。するために、さまざまな基準を持っています。例えばヨーロッパの場合は、定期的に生産者を訪問したり、品質検査を行ったりしています。また、精油の純度試験もより精密になってきており、外観、香り、比重、屈折率など、さまざまな角度か141つの精油は何十何百もの成分の相互作用に現在、衣料用洗剤や室内芳香剤などで使用されそれでも合成オイルや天然類似オイルが生産さ精油の製造業者は、取り扱う製品の品質を保証らチェックされています。多くの大手メーカーでは、ロットごとにガスクロマトグラフィー(GLC:Gas Liquid Chromatography)を行っています。GLCとは物質を気化して、分離・検出する分析方法のことです。まず少量の精油を気化させて各成分に分離し、その結果を機械で記録します。記録用紙に連続して描かれる山のピークの部分が、それぞれ個々の成分と対応しています。例えばラベンダーならば、新しい精油のロットから得たGLCの分析結果とラベンダーの基準値を比較し、各成分の数と含有率の差が許容範囲内であることを確認するわけです。ただし、GLCなどの検査をどれだけ行っても、絶対的な純度を保証できるわけではありません。天然の純粋な精油を提供できるかどうかは、あくまでも品質向上を目指す企業の努力にかかっています。また、精油の原料となる植物が殺虫剤や除草剤で汚染されていることも珍しくはなく、圧搾や蒸留の工程を経ても、こうした薬剤が残留してしまうことがあります。その残留量は食品と同程度の許容範囲内となっており、実際には汚染された食品を食べたときほどの危険はなく、トリートメントに使ったとしても、大半の殺虫剤や除草剤は、皮膚からすぐ組織に浸透することはありません。とはいえ、より確かな安全性を追求していくと、より品質の高い精油へとたどり着きます。自然に成長した野生の植物や、植物が自然に生育できる地域に種をまき、丹念に育てて収穫した植物を原料にしたオーガニックの精油は、最高級品質の精精油の品質3.精油の品質と保存方法

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る